Startup Weekend Tokyo 深圳@SegMakerに参加してきた(2) -深圳散策編-

 この記事では、4日間の滞在期間中見てきた深圳の様子と感じたことをまとめていきます。

その1: Link
その2: この記事

1日目

香港入国から大陸上陸まで

06時35分羽田発の香港エクスプレスの便に乗り、とりあえず香港国際空港まで飛びました。日本から深圳入りする場合、一度香港を経由するのがスタンダードなルートらしく、それに従った形です。

10時05分、香港国際空港着。香港から深圳までの交通機関は、フェリーやバス等があるようですが、僕は「スカイリモ」という乗り合いタクシーを利用しました。
スカイリモの大きなメリットとして、

  • フェリーより安い
  • 運行本数が多い
  • 香港 – 中国本国の越境を車に乗ったまま通過できる

等があげられるらしい。

因みにフェリーは、香港入国をスキップできるモノとそうでないモノが存在し、前者の方は空港内で入国審査を通過してしまうと当然ながら利用できません。
スカイリモにした本当の理由はこれです(^_^;)

スカイリモのチケット販売所は空港内にあります。一応空港内施設なので、英語でコミュニケーションを取ることができました。

入手した乗車チケット。

順次車がやってき次第乗り込みます。運転手含め8人乗り、結構ぎゅう詰め。

しかも自分以外みんな中国人で圧倒的アウェイ感。周りの会話が何一つ分からず、人生で1番物理的な孤独を感じた気がします。
運転手は運転手で、運転しながらWeChatで誰かと会話してるし、ちょーこわいw

そして、香港 – 中国本国の越境時には、運転手にパスポートを預けます。マジ不安…大丈夫かよ…

20〜30分ほど揺られ、皇崗口岸に到着。ここで、中国入国のイミグレを通過します。顔写真と指紋をバッチリ取られました。

皇崗口岸から宿まで6km、約90分の徒歩道中

序盤: シェアバイクだらけの歩道

空港で現金を引き出していなかったので、まずは銀行探し。招南銀行が見つかり、国際キャッシングで人民元をGet。

「口岸」は、中国語で「貿易港」「税関」といった意味をもつようで、皇崗口岸もそのうちの1つ。街路樹が多く、僕が訪れた時はさほど人もいなかったため、落ち着いた街という印象でした。

歩道を歩くと、まず目につくのが自転車。ofoとmobikeのロゴが入った自転車がありとあらゆる場所に転がっています。

ここにも。

あそこにも。

粗大ゴミのゴミ捨て場みたいになってるとこまで。

ここまで自由にシェアバイクばら撒けるのは、ぶっちゃけ中国だけだと思います。日本も欧米も、法律や国民の意識の壁を超えられないだろうなと。マジでどこにでもあるので、利用者側から見て便利なのは確かなんでしょうけど。

道路と反対側に目を向けると、年季を感じる佇まいのマンションがいくつも並んでいました。更にそこには、カンフー映画で登場人物が駆け回ったり、ドキュメンタリーでおっさん達が太極拳やってるような広場も。

正直な感想として、そこに「アジアのシリコンバレー」と呼ばれるような最先端感や大都市感はあまりありませんでした。中国全土から集まったスーパーエリートが住んでいる雰囲気は皆無で、多くの普通の現地人が普通に暮らしている場所というイメージ。
しかし、道路は広くて交通量も結構あり、相変わらずofoとmobikeは転がっている、なんとも不思議な空間でした。

中盤: 世界企業マジすごい

さて、3kmほど歩くと喉が渇き、腹が減ってきたと。しかし、初めての海外ひとり旅。なかなか現地の商店や定食屋に入るのも勇気が…と思っていたところに見えたのが

我らがセブンと

そこで売っていたサントリーのウーロン茶

そして米帝様のマクドナルド

飲食・小売系の見慣れた企業の価値をこれでもかと思い知らされた一瞬でした。日本では飽きるほど見るこれらの店が、見ず知らずの土地ではオアシスとして光り輝きます。世界共通で価値を提供する企業って、ホントすげえと思います。ウチの会社もこれくらい大きくしたい…

終盤: 宿着、大都会っぽさが出てきた!

宿のZTLホテルに近づくと、どんどん建物は高くなり、商業施設の種類もみるみる増加。LOUIS VUITTONやGUCCI等の高級ブランド店も軒を連ねる整備された場所と、

様々な商業施設がひしめき合うごちゃっとした場所が徒歩10分圏内に混在しており、これまた印象的でした。

例えるなら、新宿のごちゃごちゃの一部を丸の内のゆったり感で置き換えた感じ? それから、いかにも大企業オフィス街なところでもスーツ姿の人を殆ど見ないのがまた不思議。お昼から少し外れた時間帯だったかも知れないけど。

そして、ここでも目に入るシェアバイク。遂にはテープの支持台として使われているバイクまで見つけてしまう始末でした。

SW開幕前に電気街を下見

今回のイベント会場は、深圳でも有数の高層ビル「SEG Plaza」の12階のスペース。このSEG Plazaは1階〜10階まで、巨大な電子部品の問屋街になっています。

イベント開幕まで少し時間があったので、下見を兼ねてこの問屋街を少し散策してみました。

僕自身、秋葉原の電気街を何回か散策したことがありますが、深圳の問屋街はそれとは全く別の街でした。

まず、店の密度がものすごい。3mx3mくらいの小さな店舗が細い路地を残してびっちり立ち並んでいます。

店舗に並ぶ電子部品はショーケースの中にあり、欲しい部品がある場合は店員さんに言って出してもらって、価格を聞く必要があります。
また、店が多すぎる上にどこで欲しい部品が手に入るか見当もつかないので、ひたすら探し回るか、これまた店の人に型番や写真を見せてありかを教えてもらう過程が頻繁に発生します。この辺りが正に、小売店ではなく問屋たる所以です。

それにしても雰囲気がすごい。マジでサイバーパンクSFの風景そのまま。ハードには疎いソフトウェアエンジニアの僕ですら、散策している間はワクワクを抑えきれませんでした。

2日目

必要物品の調達へGO

1日目の夜、チームメイクを済ませ、2日目から本格的に開発を開始しました。

僕達のチームは、「中学校の技術教育をもっといいモノにする」という目的の、教材製作とそれに付随するサービスを展開する事業で戦うことに。開発班の一員として、僕は通訳の方と共にArudino互換のマイコンモジュールとモータードライバシールド、その他工具等の調達へと繰り出しました。

技術に特段詳しい訳でもない通訳の方と、ハードよくわからないエンジニアのグループで問屋街をウロウロするのはなかなか大変でしたが、どうにか目的の物品を手に入れることに成功。

NodeMCU(ESP8266というWi-Fiモジュールを搭載している、Arduino互換マイコンモジュール)

因みにこの時購入したNodeMCUとモータドライバシールド、互換性があり簡単にドッキングできてガシガシ開発できる優れモノなのですが…

見事にピンが穴1つ分外にズレててハマらない事案\(^o^)/ これが深圳クオリティ…

そして、同じタイミングで購入した最安半田ごて(20元)は…

使用中、明らかにおかしい発熱をしはじめ、モーター3つに半田をつけた時点で火花吹いて死亡\(^o^)/ これが深圳クオ(ry

3日目

日曜日、人の少ない問屋街

イベント最終日。お亡くなりになった半田ごてと、穴にハマらないマイコンモジュールとモータードライバシールドを無理やり接続するためのジャンプワイヤを追加購入するため、三度問屋街へ突撃。しかし…

この日は日曜日。朝11時の時点で店員が1/4くらいしか見えない\(^o^)/ 中国生まれの通訳の人も、「11時はやっぱり早すぎるねー」とか言ってて、そのおおらかさに草を生やすしかありませんでした。日本もこのくらい朝に寛容な国になって欲しい…切実に。

4日目

お土産に(ぼったくり)ドローン購入

 イベントも全日程が終了し、後は帰国するのみ。1時間ほど深圳電気街を散策し、自分用のお土産を選びました。

1番目を引いたのは、HuaweiのMediaPad M5。2018年4月現在、日本未発売のAndroidタブレットです。

Huawei公式ページ

ハイエンドAndroidタブレットで8inch、正に欲しかったモノなのですが価格は2700元(=4万6000円)。さほど安くも感じず、購入は断念しました。

 その後訪れたのがSEG Plazaのドローンショップ(写真の奥の店)。

誰かから「3000円くらいでドローン手に入るよ!」という話を聞いていたので、何でもいいからとりあえず安いヤツを手土産にしようと乗り込みました。

結構種類があったので、英語OKの店員さんに「How much?」と連呼して値段を確認。380元でそこそこ良さげなモノを見つけたので購入しました(この時点で既にちょっと高い)。

すると、ここで店員のおっさんが突然…

店員「コイツよりもっと良いヤツあるぜ! ほらこれこれ!」

(棚から箱をもってきて開封)

店員「ほら、コンパクトに折りたためてだな?」

(実際に折りたたむ)

店員「こんな風に放り投げても壊れないんだぜ!」

(マジでその辺にポイッと放り投げる)

店員「単体だと700元だけど、今なら200元追加(=580元)でいいぜ!」

こんな感じのセールストークを、それはそれはすっごい勢いでまくし立ててきました(^_^;)

正直、一度お会計済ませた後にこんな押し売りして来る時点でさっさとその場を去るべきだったんですが、完全に押し負けてしまい購入(50元で予備バッテリーまで買わせようとしてきたのでそこは丁重にお断り)。

このやりとりを経て購入したのがこちらのドローン↓
https://www.amazon.co.jp/TOQIBO-Skyhunter-iPhone-Android-%E9%AB%98%E5%BA%A6%E7%B6%AD%E6%8C%81%E6%A9%9F%E8%83%BD/dp/B076WWX7JJ

あれ…? Amazonの方が2000円くらい安いぞ…? ということで、真面目に英語を勉強しようと思いました(´・ω・`)

まとめ

 巷で「深圳すげえ!」という記事をよく見る今日この頃、「実際のところどうなのよ?」と思い、ノリで深圳まで乗り込みましたが、確かに勢いとエネルギー溢れる興味深い街でした。

 この4日間、何度も足を運んだ問屋街で、ひとまず必要物品を揃え試作品を製作、よさげであれば戻って大口の注文をかける、大量生産の打診をする。また、この問屋街で入手した部品を使ってとりあえず製作した様々な新製品(パチモノともいう)を電気街で販売する。これらの製作と流通、販売のシステムが全て内側で完結しているのが、この街の大きな特長です。このような形式の街は、少なくとも日本には存在しないでしょう。

単純に、一部のギークが個人で趣味のモノづくりをするといった要求であれば、部品調達を深圳でしようと秋葉原でしようとさほど差はない気がします(深圳で手に入る部品の大部分は秋葉原でもおそらく手に入る)。ですが、実際に作ったモノを大量生産したい・多くの人に向けて販売したいといった要求であれば、価格・スピードの面で圧倒的に深圳が強い、ということを容易に想像することができました。

 しかし一方で、「深圳のような街が存在しないから日本はダメだ!」「日本にも深圳型のモノづくりエコシステムを持つ街を作ろう!」と安易に考えることも違うと思います。深圳電気街が短期間でアジアのモノづくりの中心地として成長し続けている裏には、元々低コストで電子部品を作る工場が幾つも存在していたり、良い意味でも悪い意味でもできたモノ(それが粗悪品やパチモノであろうと)をとりあえず売り出すことに抵抗を感じない国民性があったり、そのまま日本が模倣することのできない様々な要因が存在し、それが重なりあって今の深圳に繋がっています。

 なので、日本はもう少し日本にしかできない方法、日本ならではの方法で、中国をはじめとする海外の国とモノづくりの分野で戦っても負けない強さをこれから作り上げてゆく必要があるなと強く実感しました。幸い、日本はまだそれなりに豊かなので、「日本ならでは」を考える余裕があるはずです。

 あと最後に、日本が中国から学ぶべきだなと思ったのは、中国人の随所に現れるバイタリティの強さです。歩道を歩いていても、すれ違う小学生はギリギリまで道を空けるような動作をしないし、横断歩道を横切る車は歩行者が待っていても殆どが停止の意思すら見せずすっ飛ばしていくし、ぼったくりドローン買わされた時も「こっちが儲かればOK」みたいな勢いをひしひしと感じたし…。つまるところ、日本では一部の人間しか持っていない「自分を全面に出してゴリゴリ前に進む」感じのバイタリティを、中国では多くの人間が持ち合わせています。日本の「和を大切にする」文化とはなかなか相容れないモノなので、取り入れることは結構難しい気はしますが、個々の能力や個性が重要視される現代、日本人の平均的な自己表現力では外と競争した時にどうしても後れをとることが多いのも事実だと思います。

 せっかくGWの貴重な休息を海外での時間に費やしたので、外の人と比べても負けないくらいのバイタリティ、自己を前に出していく行動をこれからできるようにしていこうと思いました。

おまけ: 夜の深圳電気街の電飾。すごくキレイでした。

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